2014/07/01
目次
2:54 Part 1 ダンス作家・神村恵以前 27:45 Part 2 ダンス作家・神村恵のこれまで 29:05 「山脈」(一本目) 1:01:40 「飛び地」(二本目) 1:21:50 「腹悶」(三本目) 1:40:33 Part 3 神村恵のいまとこれから
〈オーラルヒストリーの会〉第1回のコンテンツは「神村恵入門」です。
2004年頃からダンス作品を作り始めた神村恵さんは、いわゆる日本のコンテンポラリーダンスの環境を中心に活動を続けてきた作家です。ぼくが神村さんを目撃した最初の機会は、アサヒ・アートスクエアでの〈アートノヴァ〉だったと記憶しています。このイベントは三人のダンス批評家やジャーナリストが注目の作家を紹介するというもので、ぼくは故東谷隆司さんを招いてパフォーマンスを行ってもらったのですが、そのときにほとんど新人という状態でソロを踊ったのが神村さんでした(ちなみにもう一組は山川冬樹でした。いま考えると、なんとユニークなイベントだったことか!)。それ以来、ぼくの神村評価というのは「踊っている者の意識の読みとれなさ」というところにありました。それはこの動画の中で本人も指摘していることですが、ポスト・モダンダンスの作家・イヴォンヌ・レイナーの作風と類比的なところのある、そして当時の日本のダンス界の中ではきわめて異質なものというべきアイディアでした。そんな神村さんの活動も10年をこえようとしています。三本の作品を中心に、これまでの活動の軌跡をおおよそ三期に分けて、とても丁寧に、話をしてくれました。これは主として個人史を振り返る機会ではありますが、同時に、神村さんが進んできた軌跡から神村さんではない誰かが刺激されて、新しい創造を引き出してもらえたらと考えています。ここで語られた神村さんの活動は、誰あろうぼくたちにとって宝の山に違いありません。
木村覚